勉強出来る女のイメージ(1年時の俺の偏見)


・眼鏡

・三つ編み

・真面目


・・・だと思ってた





+++少年少女漂流記+++





春うらら。
この十二支高校や制服、部活にも慣れ始めた。
博多弁の気の合う友達も出来た。そんなある日の事

「なんとこの学校から全国模試で首席をとった奴が出た!」

教師の言葉が寝ていた俺の頭に入って来た。
なんだまた寝てたのか、虎鉄。とその教師が俺の頭を出席簿で叩いた。
でもまだまだ夢の中。痛いのか痛くないのかさえ・・・不明。ってか叩いたのか?

「全く・・・お前は席を変えても同じだな・・・。」
「まーまーセンセ!人生前向きに考えよーZe!」

二カッと笑ってポンポンと肩を叩いたら拳骨をくれやがった。
俺を後ろの席にすると絶対寝るから・・・との事で教卓のまん前に席を持ってこられ
た。
でも結果は同じ。教師連中も諦めたって訳だ。

「そういやさっきの全国模試首席の奴って誰なんDa?」
「お前が俺の話聞いてるなんて珍しいな。」
「うるせーNa。俺だって何時も寝てるって訳じゃないんだZe?」

教師の疑いの眼は絶えず俺に向けられていた。
まぁ確かに今日アンタの話を聞いてたのは偶然さ。
只そのガリ勉君(か"さん"か知らねーけど)のお名前と顔を拝みたいだけだ。

「えーっとな、3年の・・・って知ってるか?」
「女!?美人っすKa?」

女だったのか。
3年・・・俺より2つ年上か。
まぁ全国模試で首席じゃ勉強命!って感じだろーな。

しかし俺のそんな予想は呆気なく崩された。

「陸上部なんだがな。」
「え?陸部の人なら俺、全員の顔と名前知ってるZe?(女だけ)なんて人見た事も
聞いたこともねーYo。」
「まぁ・・・当然と言えば当然だな。アイツは出席日数ギリギリらしいし。」
「はぁ!?全国模試首席の奴Ga!?」

何か・・・興味が沸いた。
出席日数ギリギリでユーレイ部員の全国模試一番の女?
はっ、世の中にはなかなか出来た人間も居るもんだな。
あっ、まさか学校休んで勉強してるなんてありえねーよな?

取り合えず俺は野球部の先輩とか知り合いの女の先輩とかに色々その人の事を聞きま
くった。
しかしどうも全国模試で一番をとる人間とは思えない情報ばかりだった。


・・・
陸上部一の俊足らしいがユーレイ部員。
全国模試で首席をとるくせにテストが全て0点だったと言うことも。
オマケにタバコ・アルコールは普通にしてて、
趣味はバイクを乗りまわす事。教師陣もお手上げの問題児。
そのクセ美人の姉御肌。ちなみに身長は俺より高い175cm。


・・・・・・。
世の中やっぱ平等には出来てねーんだな。

そんな事は分かりきった事だけど、今一度再確認。
しっかし会ってみたいもんだね。その問題児の天才さんによ。
まぁ学校来てないんじゃ会えねーかな。








そんな事思ってた矢先。
チャンスは突然、何の前触れも無く訪れた。








「はぁ〜やってらんねーぜ授業とKa!俺ココに野球やりに来ただけだしYo〜。」

※サボリ常習犯・虎鉄大河※
知らない先公は居ない。と思う。
でも何も言われません。だって諦められてるから。

屋上でサボリっていうのはなんともベタだな。
でもやっぱりメジャーなだけあって気持ち良い。

「あ〜、これで綺麗な女と一緒とかだったら良いのにNa。」

かと言って、今自分に好きな人は居ない。
気になる人なら居ますよ〜3年・問題児で全国模試首席の先輩。



・・・ん?



「煙草の匂い?」

なんとも爽やかな屋上の風に乗って、なんとも不愉快な匂いが俺の鼻に舞い込んで来
た。
オイオイ・・・誰だよ授業中に!つっても人の事言えないけど。
ヤンキーですか?
リーゼントで短ラン着てて剃りこみ入ってて・・・って古いわ!じゃないじゃない。


「誰だYo、ったく・・・。」

恐そうな先輩とかだったらとっとと帰ろう。
真面目に授業受けよう。うん。そうしよう!

恐る恐る匂いを辿って奥の方へ進んで行った。
回れ右してダッシュで逃げる準備は万端!
あと5歩。3歩。2歩下がって・・・一気に6歩進んで観察!



「あ。」



「ん?」



性別・♀。歳・先輩くさい。背・でかい。
煙草・吸ってる。体型・美却。部活・走ってるっポイ。
頭・悪そうなような良さそうなような。

もしかして・・・?
もしかして・・・?
そのまさか・・・?

「もしかして・・・先輩っスKa?」
「そうだけど。アンタ誰?」

俺は頭一個分くらいデカイ先輩を見上げて溜息をついた。
ちなみにこの時(1年)の俺の身長は160cmぐらい。
あぁ・・・チャンスは本当に何の前触れもなくやって来る物だ。

「1年の虎鉄大河でSu!以後お見知りおきを、さん。」

そう言いながらふざけて彼女の、しかも初対面の先輩の手にキスをした。
Q、ぶっ飛ばされるor固まるor照れながらも嬉しがる。
さて先輩の反応の仕方はどれでしょう?

「あら、苗字だけでなく名前も調査済みなのね。」

A、冷静沈着。

流石。やっぱり興味深い!
そしてますます信じられなくなってきたぜ全国一位!
そんな事を考えていたら、スッと俺の手が彼女にとられた。

「3年のです。以後お見知りおきを?虎鉄君。」

そう言いながら先輩はふざけて俺の、しかも初対面の後輩の手にキスをした。
Q、ぶっ飛ばすor固まるor照れながらも嬉しがる。
さて俺の対応の仕方はどれ!?

「!!!???」

A、驚いて後退る。

流石。やっぱりこの人は一味違う!
そして初めてだぜ。例の3つの反応以外をした女は!
ってか反応的に俺、女々しくねーか?恥ずかしい。

「はー、先輩には勝てねーNa!流石全国一位!」
「あ〜もしかして其れ聞いて私の事知ったの?」
「そうですYo!でもまさか噂通りの人とは・・・。」
「噂?どんな噂流れてんのよ!全く失礼するわね。」

笑いながら持参であろう酎ハイを開け、普通にガブガブ飲む彼女。
本当にこの人が全国模試首席?
冗談ぶっこき。これじゃ真面目に生きてる人間に失礼ってものでは?
まぁ俺はそこそこ真面目なだけだから?
嫌いじゃないぜ、この人。・・・否、先輩。

「先輩、なんで今日は学校来てるんですKa?」
「んー?出席日数やぁばいからねぇ。」

酒のせいで赤みがかった顔が妙に色っぽかった。
ってか酔っ払ってるよこの人!
良いのかよ学校で堂々と酒や煙草やなんやらかんやら。
帰りはどうやって帰るんだ?
バイクのキー持ってるみたいだけどこれじゃ飲酒運転だ。
事故ったら怪我するわ飲酒運転だから警察つかまるわ罰金だわ退学だわ・・・。
ってなるんじゃないっすか?お姉さん。

「だいじょぶだいじょーぶ!何たって私だし!」

その答えに根拠はあるんですか。
ってか答えに成ってませんよ?先輩。
国語は苦手なんですか?先輩。
全国模試首席って実は嘘じゃあないんですか?先輩。
色々聞きたいのですが、もうこんな時間なんで俺部活行きます。

先輩!明日も学校来ますKa?」
「当分の間は来るよ。また暇な授業あったら屋上おいでね?虎鉄君。」

うーん・・・それは俺にサボれって言ってるんですよね。
いいんすか先輩がそんなんで。まぁ口煩い女は嫌いだけど。
ちょっと考えて間を空けて、一言。

「・・・わかりましTa!」
「なによその間は。」

さり気に機嫌の悪そうな先輩は何か格好良さまで感じさせます。
きっと男に生まれてたら俺の次ぐらいにモテてたんじゃないすか?
え?自意識過剰?軽く聞き流して・・・と。

取り合えず俺は唯一やる気のある野球をしに、
博多弁の気の合う友達・・・もとい、猪里の居る部活へと向かった。








「今日はなんかやけに機嫌ば良かとねー、虎鉄。」
「そうKa?俺は何時もこんな感じだZe★」

そうかー?と言う猪里。まぁご機嫌と言えばご機嫌だけどな。
間も無く主将の声で集合がかかった。
俺は今の主将より、1つ上で2年の牛尾御門先輩の方が上手いと思う。
ってか誰がどう見てもそうだと思う。あと蛇神さんとか鹿目さんとか三象さんとか!

今のレギュラーは間違ってるぜ絶対。完全実力主義にすりゃー甲子園も夢じゃねーだ
ろうよ。

「猪里もそう思わねーKa?」
「は?何が?」
「今のレギュラーのことだYo!アレ絶対間違ってるっTe。」

回りに先輩達が居るのに気にもせず言う俺に
猪里はあたふたしながら小声でコソッと言ってきた。

「俺もそう思うねん、でもあんま大声でそげな事言わん方が良かよ!」
「HAHAHA〜N!猪里は先輩思いだNa!」

その後俺達は、多分・・・否、絶対さっきの会話を聞いてたと思われる先輩達に嫌味
を言われ罵られ、
挙句の果てには2人でグラウンド整備をでやらされるはめになった。








「そりゃついてないわね。真実を述べたまでなんでしょ?」

その話を次の日先輩にしたら、こんな返事が返ってきた。
今は3限目。何の授業だったかは――――忘れた。
取り合えず昨日と同じ場所で同じ様に酒を飲む先輩を横目に俺は喋った。

「そうなんすよNeー全く。自分の実力を分かってから言えって感じっすYo。」
「認めたくないんでしょーよ。自分より1年坊主の方が上手いなんてさ。」
「やっぱりそう思いますよNe!?下手は下手なりに努力しろよNa〜。」
「ははは、それ言えてる!馬鹿の僻みってやつね!?アホらしー。」

先輩は面白いくらい野球部の先輩方を罵った後、更に弱みまでを俺に教えてくれたり
した。
先輩と居ると、制服に煙草の匂いが付いて生徒指導室に呼び出されるわ、
俺を一緒にサボらすわ(否、自主的だけど)で色々怒られたりするけど別に嫌な気はし
なかった。
むしろ刺激的で楽しい毎日だ。





それから毎日毎日屋上で先輩とサボって話した。
時には先輩のバイクの後ろに乗って街中を暴走した。捕まりかけた。
先輩だった呼び方も先輩となり、虎鉄君だった呼び方も何時しか虎鉄と
なっていた。
つまりは凄く仲良くなってた。俺は先輩の事好きになってた。





「そういやなんで虎鉄は野球部なんか入ってんの?」
「ハイ?」
「あんたサボリ魔でいい加減じゃん勉強とかは。なのになんであんなハードな部活
入ってんの?
しかもサボらず行ってるし。レギュラーなるの難しいんでしょ?名門だから。」

それは・・・確かに誰にとっても疑問なんだと思う。
たとえ先輩と1限目からサボって放課後まで話明かしてたとしても、
欠席と出席簿に書かれていたとしても、部活をサボった事は1度もなかった。

「じゃあ質問なんですけDo・・・先輩はどうして陸部無断欠席してるんです
Ka?」
「質問してるのは私なんだけど?」
「あー・・・そうっすNe。」

しばし沈黙。別に意味は無いけど。
先輩は・・・陸部を無断欠席している理由を言いたくないのだろうか。

「俺は野球やる為だけに十二支来たようなもんですかRa。」
「へー・・・でも嫌じゃない?阿呆な先輩がいるのは。」
「まぁ嫌ですけど・・・でも野球は好きだから。」

先輩は何も言わなかった。
多分俺が真面目に言ってるのを解ってくれたんだろう。
語尾変換しなかったからな。・・・って、わかるのか?謎だ。

「じゃあ俺は答えたから、先輩が陸部無断欠席してる理由教えて下さいYo。」
「束縛されるのは嫌だから・・・かな?」
「束縛?」

先輩は・・・
陸上部一の俊足らしいがユーレイ部員。
全国模試で首席をとるくせにテストが全て0点だったと言うことも。
オマケにタバコ・アルコールは普通にしてて
趣味はバイクを乗りまわす事。教師陣もお手上げの問題児。
そのクセ美人の姉御肌。ちなみに身長は俺より高い175cm。





そして何より・・・自由気侭で束縛を嫌う。





「色々あったのよ。コレでも。」
「そうなんすKa。」

それからその話題には一切触れなくなった。
俺も触れなかった。言う事を拒んでるのに無理に聞き出すなんてしたくない。
どうせ聞き出せるはずもない。先輩の事だし。
その時の先輩のなんとも言えない横顔がどうにも頭から離れなかった。










季節は巡る。別に何に逆らうわけでもなくただ自然に。
俺と先輩が会えた事もきっと自然な事なんですよ。
運命とか、必然とか、そう言う類の物じゃないけど
あっても別に不思議じゃない、自然なんです。自然。










季節は秋。少し肌寒くなって来た。
そんな日の話。

「世界放浪の旅ぃ?」

俺の間抜けな声が授業中の屋上に響き渡った。

「もう退学届けも貰って来たのよ、見て見て!」
「いや・・・ちょいと先輩?」

イキナリそんな事言って信じられるわけねぇよ。
大体退学届けなんて喜びながら人に見せるもんじゃねーだろ。
唖然として居る俺はさぞかし間抜けな顔をしていたであろう。
ただただ、先輩の綺麗で格好良い笑い顔をポケーっと見ていた。

先輩・・・マジ、なんですKa?」
「うん。大マジよ。」
「卒業・・・しない気なんすKa?」
「うん。しない気だよ。」

悪ふざけにしては真面目過ぎる。性質悪い。
本当にこの人はなんなんだ。どうゆう人間なんだ。
コレだから頭の良い人間は!
俺は頭の良い人の行動が読めない。(牛尾さんとか)
俺が馬鹿だから?否、あっちが頭良過ぎだから?

「自由気侭な世界放浪の旅・・・憧れてたんだ。」
「・・・・・・。」
「外人の上等な彼氏が出来るかもって!!」
「面白くないですYo。」

直ぐに嘘だと分かった。
変な空気になったから上手い事逃げたつもりらしいが・・・。
余計に変な空気を生んだ。彼女のせいだ。

「行って来たらいいんじゃないすKa。」
「・・・そりゃ行くよ。虎鉄に言われなくても。」
「もしかして俺に止めて欲しいとKa・・・。」
「止めても行くよ。」

本気・・・か。

世界放浪の旅ね。確かに何にも縛られないな、先輩は。
本当・・・俺には捕まえられる様な存在じゃない。
俺が追いつける事は決してない。もし追いついたとしても直ぐ消えてしまう。
誰も先輩を縛る事は出来ないし、捕まえる事も出来ないんだ。

先輩・・・。」
「ん?」
「俺、先輩の事・・・好きですYo?」
「虎鉄・・・。」

でもでもでもでもでも先輩。

「でも俺、付き合うとか絶対しませんから。」
「返事も聞いてないのに自意識過剰な奴ね。」

彼方は笑うけど・・・
これは真面目なんです。先輩。

「先輩は束縛されるの嫌いだRo?」
「・・・・・・そうね。」

"ゴメンね虎鉄。"
その言葉は俺を傷付ける事は無かったけど、幸福にさせる事も無かった。



季節は巡る。別に何に逆らうわけでもなくただ自然に。
俺と先輩が会えた事もきっと自然な事なんですよ。
運命とか、必然とか、そう言う類の物じゃないけど
あっても別に不思議じゃない、自然なんです。自然。



でも結ばれないのは自然じゃなくて、運命、必然、その類の物なんです。



「虎鉄、今日は学校に泊まろうか!」
「え・・・2人で・・・ですKa?」
「なぁに意識してんのよ!襲ったりしないわよ。」

いやいや・・・それは男の俺の台詞じゃあ・・・。
でももし先輩が男だとして、俺が女だったとしたら襲われそうで恐い。
何時の間にか西の空には夕日が沈みかけていた。

「次に日が昇る時には・・・もう私は虎鉄の横には居ないから。」
「・・・そうっすNe。」

夜の学校はシンと静まり返り静寂が襲う。
でも昼間の騒がしい学校よりはむしろ良かった。

先輩が横に居たし・・・。

夜通し話した。俺は寝まいと絶え間無く喋り続けていた。
一分、一秒、一瞬・・・少しでも先輩との思い出が欲しかったから。
先輩もずっと笑いながら話してた。これからの事は一言も言わなかった。
でもやっぱり2人共何時しか眠ってしまっていた。
寝る直前だったか、先輩がこんな事を言った様に思う。

「もう帰らないかも。」

夢と現実の境目だったからよくは覚えていないけれど。
只、夢だったら良い。そう思うしか出来なかった。














ギィ・・・



重い屋上のドアの開く音が聞こえた。多分先輩が出て行く所だ。
でも俺は起きない。起きれない。
何故か途中でドアが止まった。

「虎鉄・・・どうせ起きてるんでしょ?」
「・・・・・・。」

俺は先輩に背中を向けていたし、先輩はドアの方を向いている。
だからお互いの表情とかは分からなかった。
先輩がどういう感情を込めて言ったのか今でも分からない。

「一緒に来る?」








出来るものなら!!!
一緒に行きたかった。でも、俺には野球があるから。
ここでレギュラーなって甲子園行くから。
それに・・・先輩の重荷にだけはなりたくないから。

美人なくせに男前だし。
ユーレイ部員の癖に陸上部一の俊足だし。
問題児のクセに全国模試一位とかとるし。


なんだかんだ言って・・・優しいし。


先輩が去った後の屋上は妙に広くて空気が良くて不気味だった。
何時も大の字に寝転んで幅を取る人はもう居ない。
爽やかな空気にそぐわない煙草の匂いももうない。
会話がない。楽しさがない。実感がわかない。面白くない。
先輩はもう居ない。

"一緒に来る?"

これが最後の彼女の台詞。
最後って、別に死んじゃいないけど。
多分もう会う事はない・・・と思う。確実じゃないけども!
手掛かり1つ残さずに行った。
聞けば良かったかね・・・無駄話なんてせず。
後悔先に立たず。俺の儚い恋も見事な散り方をしたもんだ。

先輩・・・。」

不意に名前を呼んで見た。返事は無い。
当たり前。そう当たり前。これが今の現実。
そう思い込み目を閉じた。

風が冷たい。




















「虎鉄!こーてーつ!」
「んぁ?なんだYo猪里。」

そして現在。
俺は2年となり部活では後輩も出来た。
個性の強い奴等ばっかでムカツクのも居るけど、面白いから問題無い。
監督も変わり完全実力主義となったから、やっと俺の納得出来るレギュラー陣となっ
た。

「なんだってもう部活の時間と!また授業中ずっと寝てたん?」
「まーNa!でも教室に居るだけマシだRo?」

先輩が屋上に俺を借り出す事が無くなったから。
でも相変わらず授業を受ける気はしない。眠いから。

「虎鉄、先輩から連絡とかあったと?」
「そうそう猪里!それを言おうと思ってたんだYo!」
「は?」

?マークを飛ばす猪里を後目に、
俺はプリント(課題)だらけの鞄の中を漁って1通のエアメールを取り出した。

「見ろYo、コレ。」

「コレって・・・。」


to,虎鉄

From,


そう・・・先輩からの手紙

「全く、何考えてるかわかんねーだRo?」

急に世界放浪の旅に出るとか言い出すし、帰らないとか言うし、
連絡も何もないかと思えば、調度あれから1年目のこの日にエアメール来るし。
本当、何考えてるかわかんねーよ。

「んで?何言うて書いてあったん?」
「"元気ですか?また書きます。"っTe。」
「そ、そんだけ!?」
「そう、そんだKe。でもこんだけで十分Da。」

何故なら?
それは先輩、彼方からのこの手紙。
自分で最後になんて書いたか覚えてますか?

"また書きます。"

アレほど束縛される事を嫌う先輩が、自分から書いたんだ。
"また"って。自分から俺との接点を求めたんだ。
俺が寂しがってるだろうから。とか、同情でこんなこと書く人じゃない。
本気なんだ。だから俺は十分なんです。先輩。

「こんな事書かれたら諦める訳いかねーよNa!」
「え?こんな事って、他にも何か書かれとったん??」
「いんや、コレだけだZe?」

先輩。
俺待ってるなんて絶対しませんから。
プロの野球選手になってメジャーリーグ行って、嫌でも先輩の耳に届くような有名な
選手になってやる。
そんで今度は先輩から会いたいと思う様な男になってみせますよ。
だからそれまで待っててください。








P.S 次の手紙楽しみに待ってます。








……………………END...





+後書き+
666hitへの捧げ物。リク内容は「虎鉄夢で年上ヒロイン」
相も変わらず駄文です・・・(死)意味分からんし・・・。
こんなんでごめんなさい!お許し下さい!(無理)