もう忘れてしまった
愛する心など
心など
親友を殺した
私はもう何もかもがわからなかった
私がアナタの事をどう思っていたかって事も
ぜんぶわからなくなっていた
親友を殺した、自分の手で。
赤く染まる親友を私はただ見詰めていた。
赤く染まる---…凪を。
許せないのです、許せなかったのです
自分が死ぬかどうかの時にまで
躊躇っていた親友に
無性に腹がたったのです。
私はナイフで刺した。
最後まで信じていてくれた凪を
自らの手で刺した。
もう怖いものなど
無くなってしまったのです
優しい心など
無くなってしまったのです
「・・・・?」
ふと声がした。聞きたかった声。でも聞きたくなかった声。
そして私の足元に目をやれば、血まみれで転がっている凪。
「・・・・鳥居!?おい、…まさか…お前・・・・」
真っ赤に染まった私の制服。真っ赤に染まった私の手。
疑うのも無理は無い。だって私が殺したのだから。
来ないで来ないで来ないで
心の声が泣き叫ぶ
今の私は血に飢えた獣
あなたをも殺ス獣
---…今の私何するか解んないよ?
「 …何か言えよ!!」
肩を掴まれた。凄く痛い。
「とりあえずこの状況を説明しろ!!!」
状況は見ての通りです。
「おい・・・やっぱお前が・・・・」
「ゴメンね、冥。
私はもう昔の私と違う。優しい心は忘れたの。」
「・・・・おい、何言ってんだよ!!昔と変わったからって・・・・何で親友殺せんだよ!」
「・・・・私は、もう冥の知ってる私じゃないよ。」
そう、今の私は。
「好きな人だって殺せる。」
『 も う 殺 し ち ゃ お う か 』
ド ス ッ
鈍い音
吹きかかる血
滴り落ちる血
目から滴り落ちる私の何か。
全てが私に降りかかる
「・・・・・・・・ッ!!??」
気がつけば私はナイフで。
冥を刺した。
「な・・・・・・・・?」
「・・・・ゴメン、ね。」
ズルズルと私の身体に寄りかかってたおれていく冥に声をかけても
返事は返ってこなかった。
動かなくなった身体。私の愛する人。私の愛した人。
もう愛する心など忘れたの。優しい心など。
私は愛する心など忘れたの、優しい心など。
だから
私の目から頬を伝って落ちる雫。
これが涙というのは認めない。
認められない。
私は愛する心など忘れたの。
―――…優しい、心など。
----END----
---------------------------
弥生灯さんからふとした事で頂いたバトミス夢です。
ああ……なにかすごいものを頂いてしまった…!
ありがとうございます…!!飾らせていただきますっ。
それにしても実際、バトミスなんかに自分が遭遇したら本当にどうなるかわかったもんじゃないですね…。
だって普段は死んでしまえ〜!と思う事があっても、殺す(怒)!と思う事があっても、絶対実行できない訳じゃないですか。
でもこの世界だと、包丁握った手を前後するだけでそれができてしまうんですからね…。
改めてバトミスも怖さを確信しました。
本当にありがとうございました!!
毒苺 レイナ